EVEN - ORIGINAL , ORDER FURNITURE STUDIO : DIARY

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DIARY

Kitchen

2022/12/18

キッチンとその周辺家具のリフォームのご依頼です。

打ち合わせの流れでステンレスの天板はそのままご使用したいとのご要望を承諾しました。

しかしながら、それによって天板を納めるために既存のキッチンの構造や仕様を完全に把握する必要があった事と、基本レイアウトを変更できない事により無垢材の良さをどう表現するかという点に苦悩しました。

コンロと換気扇・水栓も新しくなったのですが、解体と設置の日程が決まっていたのでガスや水道等設備屋さんに迷惑を掛けられないというプレッシャーもありました。

結果としてはキッチンの解体と設置自体は半日で完了。
天板が無事に乗った時には胸を撫で下しました…。

そんな中、前述した無垢材の良さを表現する事がご依頼いただいた意義であり結果だと思っています。
図面上ではその為の仕様をしっかりと見定め、製作上は慎重に木取りを行い、自然素材の表情を活かすことに努めました。

その後、吊り戸棚の扉も製作・取付けをしました。

これにてぐっと統一感が出て、空間の表情が大きく変わってくれました。

キッチン脇にはオーブン設置用や炊飯器用の引き棚板が付いた収納と、引出付きのシェルフも。






全体がレッドオークの統一感で包まれた中、これまでご使用だったブビンガのテーブルのリメイクも行いました。
テーブルが1点、別の樹種になっても同じ無垢材であればそれが空間としてのアクセントになり得ます。

1.9M以上あった一枚板を約1.2Mにカットし、脚も新たに製作したのですが、天板の反りとねじれが気になったので両面フラットが出るように削り直しました。

ブビンガはとにかく重く、ひっくり返しや移動が本当に大変でしたが、奥行き感のある独特の表情を持った木材の扱いは新鮮でもありました。

Single Boards DT/Bench

2022/10/12

一枚板にて、ダイニングテーブル(セン)とベンチ(栃)を製作しました。

DT :  w2000 d730~820 h710
Bench : w1620 d240~310 h415

黒色の鉄脚は艶消し・焼付け塗装です。

脚元に栃の下駄を履かせることで金属構造に温かみを加え、色のコントラストを生み出すことを意図しています。

肉厚の鉄管を使用したこともあり、テーブルに関してはかなりの重量があります。
その中でしっかりと固定し、強度を得るための方法に頭を悩ましましたが、金属加工屋さんとの緻密な相談を経て、しっかりとした安定感を実現する事が出来ました。

よく目にする一枚板の製品は天板が主役になるが故に脚や構造にこだわりのない物や、やたらと重量感を主張するものが多いのですが、設置する空間や天板の表情に合わせて設計する事が大切です。

その思いを込めて、今回のご提案をさせていただきました。


ベンチの栃は、全体に縮杢が入った希少材です。

鉋掛けの難易度が上がるので気を使う作業でしたが、美しい仕上がりですね。

板の決定の際、クライアントと共に実物を確認しに行きました。
目移りするほどたくさんの一枚板が揃っていますので、事前にご選択したものとは違う板に決定となりました。 
…これだけで楽しめます。

提携業者のH.Pから樹種・サイズ・金額等を確認できますので、ご要望の際はその旨お知らせ下さい。

板のご選択の後、ご要望を伺った上でデザインのご提案をさせて頂きますので、ご相談をお待ちしております。

Hinoki Product

2022/07/29

こちらは弁当箱です。

樹種によっては材の入手が難しい情勢ですが、幸いにもご近所の材料屋さんが良質な檜を持っていたので、今回のご依頼を請けることが出来ました。

ありがたい事です。

弁当箱といっても学校や職場に持っていくような実用性はあまり無く、レストランの演出要素が高い仕様。

仕切りを設けて、4つの小鉢が入る設定です。
仕切りは外せますので、ワンプレートや弁当仕様にもできます。

蓋はズレないように裏面は段欠きになっています。


寿司下駄も製作しました。

木材に負荷を掛けず、永くご使用していただける仕様・工法(蟻桟)を採用しています。

ここに寿司が並ぶと思うと、綺麗に仕上げたい…という思いも強くなります。

たくさんの箸置きも製作。

すべての側面に、レストラン名の焼き印を押しました。

これらはスイスで来月オープンの日本食レストランでご使用予定です。

さすがに行くのは難しいけれど、お客さんに少しでも特別感を感じてもらえたらと、日本の職人としての気持ちを込めた案件でした。




Cafe

2022/06/25

カップボード等を納めさせてただいた古民家カフェ「羅漢」が6/10にオープンしました。
中津川市の阿木という場所です。
以前の告知よりも随分遅くなりましたが…。

これまで何度もご依頼いただいたクライアントで、とても素敵なご夫婦です。
お話しするだけでいつも元気をもらっています。



玄関からの眺め。

ここに身を置くと、のどかさで気持ちがストン、と1つ落ち着きます。

サイフォンで淹れたコーヒーは雑味が無く滑らかな味わいで美味しいです。

豆は産地を選べます。



観光地で言えば岩村から車で約10分に位置します。

古民家の雰囲気やゆったりとした時間を過ごしたい方に一度足を運んで頂きたいと思います。

また、元気を注入したい方は是非、店主に話し掛けてみて下さい。

その際には納めた家具もついでにご覧下さい。


Spring Comming

2022/03/19

今年も蕗の薹が出る季節になりました。

近日は寒さから急に暖かくなった感がありますが、久しぶりに寒さ厳しい冬でしたので、こうした春のお知らせを発見すると尚更嬉しくなります。

蕗の薹が出ない年もありましたが、今年は3つ確認できています。

いつの在庫か材料屋さんも把握していないという、古い楢の角材を入手しました。

表面色の経年変化はアンティーク級です。

木材が豊富だったことにより、こうした古い材は現代よりも質の高い場合が多く、目視に加えて手に取った感覚でその質を確信しました。

表面を1mm程削ると、このように美しい楢の表情が現れました。
種としては年輪幅が狭く(成長が遅い)、その割に比重が高い良材です。

現在製作中の箱物の脚に使用する予定です。


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